日本人に人気のワーキングホリデー渡航先であるオーストラリア。豊かな自然と大都会を両方味わえ、アジア系のスーパーも多く、初めての海外でも比較的生活しやすい国です。
ワーキングホリデービザは入国から1年間のみの滞在と期限が決まっていますが、じっさいに住んでいるうちにもっとオーストラリアにいたい!可能な限り長く住んでいろんな経験をしてみたい!と思う方もいるでしょう。
オーストラリアでは政府規定の季節労働(ファームジョブ)をすると、セカンドワーホリビザ(2nd Working Holiday Visa)、サードワーホリビザ(3rd Working Holiday Visa)といって、最長3年間オーストラリアでワーホリできるビザをもらえます。
今回はビザ延長に欠かせないファームジョブについて、私の経験談をお伝えしていきます。これからファームへ行こうかとお悩み中の方の参考になれると嬉しいです。
日本人に大人気のオーストラリアはファーム大国
オーストラリアは日本からの直行便の数が多くアクセスがよいのを始め、1年を通して比較的温暖な気候や、治安のよさが人気の理由となっています。
そんなオーストラリアで2年間生活し、その内の1年8ヶ月をファーム(農業)で過ごした私がおすすめするファーム生活の魅力について、今日はお伝えしていきます。
ファーム生活をするとビザが延長される
ご存知の方も多いかと思いますが、オーストラリアでは政府が指定する地域で3ヶ月以上(88日間)の指定労働をした人は、さらに1年間ワーキングホリデーのビザを延長することができるという制度(セカンドワーホリビザ)があります。
そしてなんと現在は、2年目のワーホリ期間中に6ヶ月以上の指定労働をすることで、3年目のビザを申請することもできるそうですよ!(サードワーホリビザ)
このサードワーホリビザ制度は2019年7月から始まったそうなのですが、2013年にワーホリ生活を終えた私のときにはなかったルールなので、うらやましすぎる制度ですね。
指定労働には農業だけでなく、精肉業や漁業・建設業や林業など色々ありますが、求人数はそこまで多くなくハードルが高いです。
やはりワーホリの方に1番身近なのは、果物や野菜を収穫するなどの農業仕事(ファームジョブ)かと思います。
ファームジョブの探し方
いざファームで働くと決意しても、どのように仕事を見つけたらよいのでしょう。仕事探しの方法はいろいろあるので1つずつご紹介しましょう。
Webサイト
オーストラリアには日本人向けの求人サイトもありますし、現地のサイトでもファーム仕事の情報が載っています。
Webサイトで条件にあったよさそうな所を見つけて、直接メールか電話で連絡を取り仕事ゲットにつなげます。
ただ相手から返信がなかなか来なかったり、外国人オーナーだと英語でのやり取りになるので意思疎通が上手くいかず、給料面など大事なことも誤解が生じる可能性があります。
じっさいに働いてからトラブルにならないように、大事なポイントはしっかり確認するように気をつけましょう。
無料エージェントに斡旋してもらう
シドニーやブリスベン、メルボルンなどの大都市には無料エージェントがいくつかありますので、相談へ行くとファーム場所や仕事をいくつか紹介してもらうことができます。
エージェントによっては提携を結んでいるファーム先がある場合もあるので、給料や待遇などを事前にしっかり確認し、安心して現地に行くことができるのが大きな利点ですね。
バックパッカーズ(バッパー)の受付で直接聞く
これは私が実際に行った方法ですが、直接ファーム仕事を斡旋しているバックパッカーズへ電話で仕事状況を聞き、仕事がある、またはもうすぐシーズンが始まりそうだったらまずはそこで部屋を予約します。
そして現地へ移動しバッパーに入居して、生活をしながら仕事が振り分けられるのを待ちます。私の場合はチェックイン後、2日後にはパプリカ収穫の仕事を開始できました。
仕事が始まるシーズンに合わせて移動しないと、仕事がないまま何ヶ月もスタンバイ(待機)生活をしないといけないので、事前に受付に確認しておくことが重要です。
知人の紹介
この方法が1番安全かと思いますが、じっさいに現地でファーム仕事をしていた人から紹介してもらう方法です。働いていた人からの情報だとまちがい無いし、運がよければその知人の代わりとして、または一緒に雇ってもらえる可能性も高いでしょう。
私は知人が以前滞在していたバッパーを紹介してもらい、電話で連絡してチェックイン、その2日後に仕事ゲットにつなげました。もしすでにファームで仕事をしている友だちがいれば、情報をもらえるとかなり役に立つでしょう。
ファームと言ったら聖地バンダバーグ
広大な土地のオーストラリアでは様々な場所にファーム仕事がありますが、特に仕事の数が多く、ワーホリに人気の場所がクイーンズランド州(QLD)にある「バンダバーグ(Bundaberg)」という田舎町です。
ブリスベンから電車で北へ4時間半ほどの場所にあり、1年を通して比較的温暖な気候のため、いろいろな種類の野菜や果物のファームがあります。
私はこの田舎町で2年間のワーホリ生活の内1年8ヶ月を過ごしました。出会った色々な人から「You are crazy!」と言われながらも、なぜバンダバーグでこんなにも長い時間を過ごしたのか。
それは都会で生まれ育ち、何不自由なくぬくぬくと生きてきた今までとは、全く違う農業生活に刺激をたくさん受けたからです。今思い返してもバンダバーグでの生活が1番楽しかったなぁと思います。
歩合制は自分の頑張り次第で稼ぐことができる
パプリカの収穫(ピッキング)
バンダバーグでの初めてのお仕事は歩合制でパプリカの収穫でした。大きなバケツ(ゴミ箱サイズ)にひたすらきれいに実ったパプリカを入れていきます。(1バケツ作って○ドル=歩合制)
採ったパプリカの形が少しでもおかしかったり腐っていたら、現場監督(スーパーバイザー)にバケツの外へはじき出されます。
慣れない農作業で初日はバケツ1つ作るのがやっと・・・。労働時間の割に給料が驚くほど安く見合いませんが、それが歩合制です。
いちごの収穫(ピッキング)
次にもらった仕事はいちごのピッキングでした。いちごのピッキングは腰をかがめながらひたすら熟れたいちごをカゴに入れ、腰に負担はかなりかかりましたが、1カゴをいっぱいにして$3でした。
早朝から昼過ぎまでひたすら収穫していくとコツを掴み、他の人が休憩していても採り続け、数日後には時給以上の給料を稼ぐことができました。
歩合制は自分が頑張った分だけお金に反映されるので、稼ぎたい時は必死に、一方で今日はもう疲れてるしとゆる〜く仕事をすると、その分給料が低くなります。
自分のペースで仕事ができますが、やはり家賃や仕事場までのバス代・生活費を考えるとなんとかマイナスにならないように稼がないとと必死なので、精神的にきつかったです。
時給制は心にゆとりを持って仕事に取り組める
いちごのシーズンが終わった後にもトマト、ズッキーニ、チリなど様々な歩合制の仕事をしていましたが、2ヶ月ほどしてようやく時給制のスイートポテトの仕事を割り当ててもらうことができました。
私がワーホリしていた当時のオーストラリアの最低賃金が約$16(現在は$19.84)だったので、週40時間労働をしてだいたい週$640ほど稼いでいました。
やはり時給制の仕事は生活費を確保するには、いくつバケツを作らないといけないなどの目標やノルマがないのでストレスなく、純粋に仕事を楽しむことができるのでよかったです。
人によっては収穫のスピードが早く、歩合制の方が稼げるという場合もありますが、精神的にラクに仕事ができるという点で、私には時給制の仕事が合っていました。
バックパッカーズでグローバルな共同生活
ファーム生活の1年8ヶ月の間、私が生活をしていたのはバンダバーグ駅正面にあるシティセンターバックパッカーズという宿でした。ここでは様々な国籍のワーホリ人が合計100人ほど生活を共にし、そこから毎朝それぞれのファーム先に仕事に出かけ、夕方に帰ってくるというスタイルでした。
韓国や台湾などアジア人だけでなく、ドイツやイタリア、イギリス、フランスなど本当に多国籍の人々が同じ屋根の下で一緒に生活をしているので、会話を通して自然と英語力が身に付きます。
同じようなバッパーがバンダバーグにはいくつかありますので、各バッパーに連絡をし、仕事状況を確認してよさそうな条件であれば入居を決めましょう。
部屋は大体1部屋に3〜6人、男女別々や混合の部屋もありますので同性のみの部屋を希望する場合はあらかじめ伝えておいた方がいいです。
他にもTVルームで映画を観たり、リビングルームでボードゲームをしたり、卓球台で遊んだりと毎日が修学旅行のようでとても楽しいですよ。
バンダバーグにはファーム用のバッパーはいくつかありますが、その中から一部ご紹介します。
① City Centre Backpackers(シティ・センター・バックパッカーズ) 住所:216 Bourbong Street, Bundaberg, Queensland, Australia Tel:+61 (07) 4191-9818 ② DingoBlue backpackers(ディンゴブルー・バックパッカーズ) 住所:46 Quay Street, Bundaberg, Queensland, Australia Tel:+61 (07) 4152−0100 ディンゴブルー・ホームページ ③ Workers & Divers Hostel(ワーカーズ・アンド・ダイバーズ・ホステル) 住所:64 Barolin Street, Bundaberg, QLD, 4670 Tel:+61 (07) 4151-6097 ワーカーズ・アンド・ダイバーズ・ホームページ
ファーム生活のデメリット
ここまでファーム生活のメリットをお伝えしましたが、やはりデメリットもいくつかあります。
天候に左右される
基本的に外での仕事が多いですので、雨季は連日の雨で仕事ができず、そのぶん給料が少なくなるなど収入が不安定な面もあります。
違法なファーム
歩合制の仕事は、違法な低賃金で働かせようとする悪徳ファームが少なからずあります。バッパーが斡旋しているファームは心配ないかと思いますが、直接オーナーと仕事の交渉をする際は注意が必要。
体力勝負
基本的に8〜10時間ひたすらからだを使う仕事なので、体力がかなり必要です。姿勢によっては腰や背中を痛めることもあり、湿布が手放せない人もいました。炎天下の中での仕事なので日焼け止めも重要!
プライバシーがあまりない
大人数での共同生活ですので部屋も相部屋がほとんど。プライベートな空間と言えば自分のベッドの上のみです。基本的に2段ベッドなので、ベッドの枠にカーテンを付けるなどをして、自分だけの場所を確保するのは大事ですよ。
まとめ
いかがでしたか。今回はオーストラリアで、最大3年までワーホリビザが延長できる条件である「ファームジョブ」について、経験談をお話しました。
ファームでの仕事は運によるものも大きく、ひどい労働状況や悪徳ファームで働くと悲惨な思いをすることもありますが、運良く時給の仕事をもらえれば収入も多くてよい生活ができるでしょう。
日本ではなかなか経験できない野菜や果物の収穫・苗植え・草抜き・箱詰めなど、どれも貴重な思い出になりますよ。人生経験が豊かになるのは、ワーホリをするうえで重要ですよね!
またここで寝食を共にし、一緒に料理をしたり買い物に行ったりと、出会った友達とまるで家族のような親密な関係になれます。私にとってはよい思い出しかないバンダバーグでのファーム生活を、ぜひおすすめします!
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