オーガニックに興味を持ち、食事や日用品など生活の中に、自然で無添加なものを取り入れるオーガニック生活を始めようとお考えのみなさん。オーガニック生活には多くのメリット(利点)がある一方、デメリット(欠点)もいくつかあります。
今回はオーガニックの中でも食材について、そのメリット・デメリットをお伝えしていきます。これからオーガニック生活を始める前にお読みいただき、参考にしてもらえればと思います。
メリット① 安心・安全に食べられる
オーガニック食材に関してのいちばん大きなメリットはやはり、農薬や化学肥料を使われていないので、子どもからお年寄りまで誰もが安心して食べられる点かと思います。自分たちが毎日食べているものから、遠い将来にガンやパーキンソン病など、健康面で危険性が出てくるといった心配がありません。
作物を育てる過程で撒かれる農薬の中には、からだに害を及ぼす危険性のあるものも残念ながら存在します。また見た目を良くするために、放射線や遺伝子組み換えなどの技術を使って育てられるものもありますが、オーガニック食材はこのような技術を用いるのも禁止されています。
ただオーガニック=無農薬という訳ではなく、日本農林規格(JAS)が認定した31種類の天然由来などの農薬の使用は認められています。オーガニック食材は一般的な食材に比べて、できるだけ農薬や化学肥料を使わずに、大地や太陽の恵みから作られた安全な食物といえます。
メリット② 味がおいしい
味覚や味の好みは人それぞれに違いがあるので一概には言えませんが、オーガニック食材は一般の食材よりおいしいと言われています。その理由は野菜や果物それぞれに合った気候や環境のもとで、農薬などのストレスを受けずにのびのびと健康に育つことで、味もおいしくなるというものです。
また、オーガニック食材は通常の食材に比べてかなりの手間がかかっています。栽培方法からその野菜や果物の特性、流通のむずかしさなど、農家の方々は多くの苦労や葛藤をしながら育てています。その分より良い食材にしようと愛着を持って取り組んでいたり、味にこだわっている農家さんの割合が高いのです。
そしておいしい食物を育てるのにもっとも大事なものと言っても過言ではないのが「土」です。良い土かどうかで大切なのは多くの「微生物」がいるかですが、土壌消毒剤や除草剤などを散布していないオーガニックの土の中には、その微生物が豊富に含まれています。健康で栄養が豊かな土で育った作物がおいしいのは納得ですよね。
メリット③ 自然や環境の保護
オーガニックの定義について農林水産省のホームページでは「環境への負荷をできる限り少なくする方法で生産された食品」と示されており、ありのままの自然な生態系に合わせた環境にやさしい栽培方法を表します。
地球温暖化の問題が深刻化していることは世界中の方々の共通認識かと思いますが、その主な原因は石油や燃料の使用が急増したことによる二酸化炭素の増加。農薬や化学肥料には化石燃料が使われているので、土壌を汚染したり地球温暖化の原因になっていたのです。
そのような環境に悪影響になるようなものをなるべく排除し、肥料は家畜の排泄物を使用するなど健全な食物連鎖や、大地・太陽・水など自然の持つちからをベースに作られているのです。
デメリット① 値段が高い
オーガニック食材のメリットについてお伝えしましたが、反対にデメリットを挙げると1つ目は値段・価格の高さです。オーガニック(有機)と呼ばれるものは、何項目もの厳しい基準を満たす必要があるため、農家の方々はかなりの手間暇をかけて作られています。農薬が使えないので人手がかかる分、作物の価格も高くなるのは仕方ないことですね。
他にも大きな原因として挙げられるのが「農作物のロス」があるためです。農薬や化学肥料を使わないオーガニックは、一般の農作物より虫食いの被害にあったり、しつこく生える雑草に成長を邪魔されます。そのため商品として売り物にならない作物ができてしまう「ロス」があるため、価格を少し高めに設定されているのです。
デメリット② 長期保存が難しい
他にもデメリットとして挙げられるのは、オーガニック食材は長期保存ができない点です。保存料や防腐剤など加工品が入っていないので、食材が傷んでしまうのがどうしても早くなります。
一般的に野菜は丸ごと販売されているので、一人暮らしや少人数家族の方にはなかなか全てを使い切れずに、余ってしまうことがあります。腐らせないようになるべく使い切り、作り置きなど工夫をすれば無駄にならなくて良いですね。
デメリット③ 収穫量と流通量が少ない
何度も話したとおり農薬を使わずに農作物を育てることは簡単ではなく、オーガニック食材を作る経験の浅い農家の方には、ノウハウを習得するまで多くの試行錯誤があります。売り物として出せる品質のものが少なく、十分な量を収穫できるようになるまで、相当な時間がかかってしまうのです。
それにともなって問題なのが流通量の少なさです。一般的にオーガニック食材は、農家さんからスーパーや小売店などで私たちの手に届くまでに、さまざまなルートを経由してきます。その間に国が決めた基準に合わないものや、かたちの悪いもの、新鮮でないものは廃棄されてしまうので、われわれ消費者の手元に届けられる食材の量はどうしても少なくなってしまいます。
健康志向や環境問題を考えて、一般の食材からオーガニック食材に切り替えたいという方々が増え需要はかなりあるのですが、このような問題で供給が追いついていないのが今の日本の現状なのです。
まとめ
いかがでしたか。今回はオーガニック食材についてのメリットとデメリットについてお伝えしました。安全で健康に良いイメージが強いオーガニックですが、デメリットがあるのも事実です。農薬や化学肥料を使わない分、虫が付いていたり見栄えが悪いなど、マイナスな点があるのは当然でしょう。
それを踏まえた上で比較しても、オーガニック食材にはメリットが数多くあります。長い人生を考えた上で安心して食べ続けられる、また環境にも良い影響を与えられるのはすばらしいですよね。
ご自分やご家族にとって何を1番に優先したいかを考え上で、オーガニック食材を買うかご判断いただければと思います。
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